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torneレビューと考察

torne (トルネ) (CECH-ZD1J)

torne (トルネ) (CECH-ZD1J)

どんなもんかと思って、発売日の朝に横浜ヨドバシに並んで買ってみました。開店前で行列は100人居るか居ないか程度。思ったよりも多くてびっくり。

全体の感想

全体的に奇をてらわない作りで、ゲーム屋さんがまじめに作ったTV再生キットと表現するのが一番よいと思う。必要最低限をきっちり作っている。その点、ぶち抜けた新しい使い勝手や視聴ライフスタイルを提案してくれるわけでないが、現状の家電が抱える残念なUIに対する強烈なカウンターになると思う。
PS3torneが4万円、一方テレビが10〜20万円であるのだから、ユーザにとっては、普通の家電に積んでるLSIが非力だからもっさり、というのは言い訳にはならない。
これが売れて、家電の世界のUIが一歩前に進むことを期待します。

インストール

まず機材のセッティング。下記のように繋いだ。USB HDDはバルクのHDDを買ってきて適当なケースに入れてFAT32でフォーマットした。
まずはファームウェアのアップデートの後、torneのインストールとなる。torneをインストールするとXMBにテレビの項目が増える。ゲームソフトの項目にアイコンを置かず、わざわざ項目を増やしたということは、今後テレビの項目が拡張されるのかもしれない。
torne起動の後、チャンネルスキャン完了で視聴できるようになる。


起動

torneのアイコンを選択してから起動まで二、三十秒くらい掛かる。torneの文字が出てもまだ起動中である。これは結構長い。起動はPS3のゲーム全般遅いので、これはどうしようもないのかもしれない。
ただ一度起動すると、そのあとストレスを感じるポイントはほとんどない。メタ情報関連は起動時にできる限りRAMにキャッシングしているのだろうか?
選局を除けば待たされることがほとんどないので、以下では各メニューの操作のレスポンスの早さについては割愛する。総じて速い。
付け加えて、torneが繋がっていないとソフトの起動もできないので、HDDに録画したコンテンツの再生も不可である。torneに何かの鍵情報があると推測できる。

初期画面

起動するとまずはリング式のメニュー画面に遷移する*1。テレビとして考えると、これはとても新しい。普通テレビは起動したらメニュー画面ではなくて、放送波画面に遷移するのが普通。このあたりに通常の家電とは違う文化を感じる。
以下にはメインメニューの各項目に分けて述べていく。放っておくとメニューが録画番組のサムネイルと共にぷかぷかし始める。こういう遊びがあるのも家電に無い特徴。普通の家電のUIは質実剛健に過ぎる。

1.テレビ

当然ながらメインの機能。選択するとチャンネルと番組名が表示された後、実際の映像が表示される。

チャンネル切り替え

特徴として選局のアップダウンが存在しない。基本的にサブ番組表を表示させて選局する。ザッピングというよりは、狙った番組を視聴するようなイメージだ。ゲームコントローラだと数字で直に選局できないのは仕方ない。
1チューナでかつHWの都合で選局があまり速くできないため、あえてアップダウンを外したのではと考えられる。単にポリシーなのかもしれないが。
専用リモコンでの操作感がどうなっているかは分からないので、もしかするとそちらではアップダウンはあるかもしれない

トルミル

torneの特徴のひとつのトルミル。現在視聴中の他のユーザの分布や予約録画本数が分かる機能。
テレビ視聴画面だとサブ画面の人マークで同一地域の視聴率、上のポップアップで録画している人数が分かる。
番組表構成の都合から、集計は同一地域のみで行っているようだ。よって地方だと表示される数は大分少なくなるようだ。

サブメニュー

三角ボタンでサブメニューが表示される、表示する際に、放送波画面の大きさが滑らかに変化する。このあたりはソフトで柔軟にデコード、出画を制御できることを有効活用している。HWデコードだと仕様によってはそこら辺の柔軟性に欠ける場合がある。
音声、字幕切り替えなどの機能のほかに、録画、Web検索などの機能が選べる。番組情報などを選ぶとポップアップが放送波画面にオーバラップして情報が表示される。その際、背面の放送波画面にはボカシが入る。放送波画面にボカシを入れたりすると、放送局から怒られそうなもんだけど、話をつけているのか、気にしてないようだ。
Web検索機能は番組の関係情報を自動で調べてくれると思いきや、ソフトウェアキーボードが立ち上がって、2画面で検索できるだけの機能だけのようだ。これは大変残念なので、いずれソフトウェアアップデートされるのではないかと思う。
ちなみに2ちゃんねるの実況板とTwitterが表示できることは確認できた。こういうときのディスプレイはフルHDが良いなと思う。

2.番組表

視聴中画面とメインメニューおよびその他から直接遷移できる。
読み込み中なども表示されず、カーソル移動も快適。これだけ文字を毎回書き直してぐりぐり動かすのは大変なので、テクスチャーとして処理しているのだろうか? いずれにせよ、皆が望んだ、むしろこれが当たり前の番組表の姿だと思う。
ただ番組表としてはとてもまっとうな作りであえて変な遊びは入れてないのも、ただの玩具ではないという意思表明なのかもしれないと感じた。
この画面から選局、録画予約が行える。

予約

予約は、録画先、録画周期しか設定する情報がないのでとてもシンプル。時間指定録画などはできないようだ。そのあたりは割り切った作りになっている。CELLをフルに使えばトランスレート、トランスコードも可能だろうけれど、おそらくバックグラウンド録画を実現するために、それはあえてやっていない。
基本的に選局されたTSにローカル暗号を掛けて、そのままHDDへ書き込む以上のことは何もしていないと思われる。PS3側に負荷を掛けないためにと不正コピー対策のために、AESか何かの暗号化機能がチューナ側に入っているはずだ。torneの鍵、PS3の鍵などが掛け合わさっているはずなので、外付けHDDに録画したコンテンツはその他のPS3torneでは再生できない。

3.番組検索

ジャンル、キーワード、チャンネル、時間帯で検索できる。検索開始というボタンは無く、項目を設定すると即座に結果が反映されるので大変気持ちいい。
検索結果は日時、番組名、トル数でソートできる。ジャンルで絞った後、トル数でのソートを見ると、あるジャンルで何が一番人気か一目瞭然になる。これはなかなか面白いし、撮り逃しが無くなる。

4.予約確認

常時HDDの残量が表示されている。日時、番組名、優先度でソート可能。ここでトル数でソートできないのはなぜなのだろうか?疑問だ。
 

5.ビデオ

録画完了した番組の再生。チャプター編集、CMカットなどの機能は持っていない。

トリック

滑らかな再生速度の切り替えが気持ちよい。Sonyのプレーヤ全般に言えるが、よく作ってある。

サーチ

シーン検索ができる。5分から15秒刻みまで、切り替えが可能。サムネイル表示はなかなか高速。CELLで並列処理しているのかなと思ったけれど、サムネイルは左から順に補完されていくので、1枚ごとのサムネイル(Ipicture)抽出で並列化しているわけではないんですね。勉強が足りない。

6.チャート

自分の視聴および再生したチャンネル、ジャンルの時間とそのランキングを表示する。現状、「で?」という機能なので、きっと進化する予定なのだろう。

7.設定

チャンネル設定、通信の設定、機能のON,OFFなど

8.操作方法

コントローラの写真つきの案内。

*1:聖剣伝説風と評判の